漫画「カグラバチ」ネタバレwiki【登場人物・用語】

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⚠注意 ※この記事には、「カグラバチ」の最新話までの重要なネタバレが多分に含まれています。

「カグラバチ」は、外薗健(ほかぞのたける)による日本の漫画作品。漢字は「神楽鉢」と書く。ジャンルは剣戟アクション。

外薗健は手塚賞出身で、連載デビュー1作目の新人。2023年9月19日発売の『週刊少年ジャンプ42号』から連載を開始している。

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「カグラバチ」のあらすじ

六平 チヒロ(ろくひら ちひろ)は、父・六平 国重(ろくひら くにしげ)のような立派な刀匠となるべく日々修行を積んでいた。国一の刀匠である国重はどこかズレた言動を取る人物だが、チヒロはそんな父の面倒を見つつも幸せな日々を送っていた。

しかし、ある出来事を境に幸せな日常は壊され、チヒロは妖刀・淵天(えんてん)を手に妖術師組織「毘灼(ひしゃく)」との戦いに身を投じる事となる…。

「カグラバチ」の登場人物

主要な登場人物

六平 千鉱(ろくひら チヒロ)

六平 千鉱(ろくひら ちひろ)は、本作の主人公。名前はカタカナでチヒロと表記されることが多い。

普段はクールな態度を取っているが根は優しい青年。だが、信念なく刀を振るう者や「毘灼(ひしゃく)」に関した事となると残酷な一面を見せる。

左のこめかみから頬にかけて大きな傷跡があり、毘灼に対する新鮮な憎しみを毎日得られるように、あえて綺麗に治すのを止めている。

15歳までは父・国重と共に楽しく過ごし、国重と並ぶくらい立派な刀匠になることを夢見ながら修行に励んでいた。

しかし、妖術者集団「毘灼」が突如六平の住居と工房を襲撃して国重を殺害。父が保管していた6本の妖刀も奪われ、幸せな日々は呆気なく終わってしまう。

それから38ヶ月後、チヒロは1本だけ残された妖刀・淵天(えんてん)で悪人達を斬り、仇である毘灼を執念深く追うようになっていた。

チヒロは、妖刀の目撃者情報を得たというナナオに、幼い少女シャルと引き合わされる。シャルとのやり取りで「刀から雲が出る妖刀」の話を聞いた直後、国を股にかける武器商人・双城厳一が雇った刺客に襲われ、立て続けに妖術師が送り込まれる。

それらを返り討ちにしたものの、妖刀・刳雲を持った双城に襲撃され、双城の仲間にシャルを奪われてしまう。

連戦で満身創痍だったチヒロは、シャルを救出するために体の無理を押して双城のアジトに忍び込む。敵に発見されてしまい絶体絶命の危機を迎える中、妖刀の本領である「涅 千(くろ ちぎり)」と奥義である「錦」の本領を修得。

アジトを警備している妖術師や剣士を本領で全員倒して脱出した直後、神奈備の精鋭6人に勝利した双城と相対する。

2人は本領の「錦」「鳴」を尋常ではない速さで斬り結び、チヒロは右手を双城は左手を斬り落とされる。超高速での戦いが繰り広げられたが、チヒロは機転を利かせて隙を作りゼロ距離「涅」を浴びせる。刳雲を折り双城に致命傷を負わせ、辛くも勝利を収めた。

現在、チヒロは隻腕のままで、折れた刳雲を所有している。また、楽座市への出品を管轄する漣家とコンタクトを取ろうとしていたところ、漣家の家系の「漣 伯理(さざなみ はくり)」と出会う。その直後、神奈備最強の妖術師・緋雪の襲撃を受ける。

緋雪に「妖刀を振るい続ければ、また不幸が生まれる」と指弾され戦意が削がれるも、伯理の「俺はお前に救われたんだ」「その刀ァ似合うのは」「お前!!!」という言葉のおかげで奮起する。その直後、伯理を連れて逃亡。

真打が保管されている場所は漣家の「蔵」であると伯理に聞き、チヒロは柴と共に漣の屋敷に潜入する。

当主の漣京羅と接触し、真打を取り戻そうとする。だが「蔵」に監禁されている人々を人質にされ、当主親衛隊「濤」の3人との戦闘になる。

その後、ヒナオを助けるために離脱していた柴が宗也を連れて戻ってきたため、チヒロ達と伯理との関係がバレてしまう。京羅が伯理を人質にしてしまい、彼と引き換えに淵天を手渡すことになった。

しかし、チヒロは「蔵」を偵察するために淵天と伯理の交換に応じていたのだった。淵天から出てくる金魚を通して周辺を知覚できるので、遠隔で動かして「蔵」の内部を探っている。

楽座市開催日、会場に乗り込んだチヒロの右手は再生されていた。彼は、折れた刳雲と命滅契約し、「鳴」の本領を発動させている。

チヒロは玄関付近で緋雪・多福と遭遇し、彼女の道徳心に付け入って交渉しようとする。しかし、自分の主張と立場と人命との板挟みになった緋雪はそれらの取捨選択を全て放棄し、チヒロが淵天と真打を奪取した後でチヒロを殺すことにする。

一時的に緋雪と共闘することになったチヒロは、地下2階の凪浄苑に向かう。

その途中で、宗也を濤から分断しようとしていた伯理を見つけるが、突如黒スーツの毘灼に襲われ、三つ編みの毘灼の妖術で道を塞がれてしまう(三つ編みの毘灼は姿を見せていない)。

国重の仇である毘灼と対峙してもチヒロは何故か全く怒りを見せずに、複雑な表情で相手を見つめている。

「六平チヒロ」の強さ、能力や腕の状態などの概要を解説
カグラバチの「六平チヒロ」の基本情報、人間関係、妖刀・淵天、強さについて解説しています。

柴(しば)

長身で金髪、服装はサスペンダーにYシャツが特徴の関西弁を話す男性。国重・薊の旧友であり元神奈備の妖術師。国重死亡後は、チヒロと共に妖術師集団・毘灼を追っている。

戦闘では主にチヒロが戦い、柴は後方から支援したり情報収集をしたりする事が多い。

亡き友人の息子であるチヒロには普段ゆるい態度で接しており、深刻な状況になると年長者に相応しい対応を取ろうとする。また、双城への殺意を抑えシャルの救出を優先するチヒロを神童と讃えた。

旧知の仲の薊の前では、親しい間柄特有のざっくばらんな態度を取っている。

柴は、斉廷戦争で戦地に行っている。戦後は時折六平親子の下を尋ねて近況を報告し合い、六平の住居と工房に張った結界に異変があれば柴が感知するようにしていた。

ヤクザの追放運動をしていた青年を守った際や、シャルを救出した際などに妖術で瞬間移動をしているが詳細は不明。ダルマの手を数珠で縛って札を貼り、妖術を使えなくもしている。

床の広範囲に亀裂が入るほど強くダルマの足を踏みつけているおり、その際に瞬間移動する時と同じように足がブレて描かれた。

双城は、神奈備の6人の精鋭部隊よりも柴と薊の方が実力が数段上と捉えている。

楽座市編では、ヒナオを襲おうとしていた宗也ごと街の上空に瞬間移動して窮地を救った。その後、漣京羅と濤の3人を1人で相手にするチヒロの身を案じ、宗也を連れて加勢に向かう。

しかし、京羅に息子の伯理を人質にされ、はったりをかますも見抜かれる。チヒロが淵天との交換に応じ、チヒロと伯理と共に拠点に帰っている。

楽座市では、会場の電気を落とすなどしてチヒロを援護し、濤と戦うため凪浄苑に瞬間移動している。その直後、三つ編み顎髭の濤に何もさせずに、瞬間移動で離れた場所に飛ばして無力化した。

カグラバチの「柴」の強さ、妖術、概要をネタバレ解説
カグラバチの「柴」の基本情報、人間関係、妖術、強さについて解説しています。

鏡凪 シャル(きょうなぎ しゃる)

変わった言動を取る小さな少女。妖術師を雇える喫茶店・ハルハルに助けを求めに来てチヒロたちと出会った。

拙い言葉で妖術師を雇おうとするも、ヒナオ以外には子供のおふざけと捉えられ相手にされなかった。しかし、孤児であることに同情したチヒロが食事を取らせていたところ、本当に妖術師の襲撃が起こる。

彼女は鏡凪(きょうなぎ)の一族で、体の傷を再生させる特殊能力を持つ。斉廷戦争終結直後、「鏡凪一族の肉を食えば不老不死になる」というデマのせいで一族は全滅しかけ、シャルの母親は唯一逃げ延びて細々と暮らしていた。

ところが、シャルの父親がシャルと母親の情報を売ったことで、双城厳一にさらわれ妖刀を超えた武器にするための実験材料にされてしまう。その後、母親はシャルを逃がすために亡くなっている。

チヒロは、シャルの境遇に同情した上に妖刀を追う自分との利害が一致したため、彼女と行動を共にしていた。だが、シャルはハルハルを襲撃した双城の仲間に捕まってしまう。

またもや研究施設で非人道的な扱いを受けるようになったシャルだったが、満身創痍ながら淵天の本領に到達したチヒロが警備していた妖術師達をすべて倒し、彼女を救出している。

その後、亡き母の「強〜く想えば」「どんなキズだって治せるよ」という言葉を思い出し、チヒロの左手のキズを治そうと強く思うことで治癒に成功している。

だが、斬り落とされたチヒロの右手の再生には失敗しており、まだ能力を完全には使いこなせてはいない。

現在は、双城から救出した後はチヒロ達の拠点で暮らしており、ヒナオが世話をしている。

治癒する能力を他人に使えるように努力していて、シャル本人は「上達した!」と言っている。実際、炎骨で殴られて酷い怪我を負っていた漣伯理の顔は綺麗に治している。

また、チヒロの左手を再度治そうとしたようだが、成功したかどうかは分かっていない。

カグラバチの「鏡凪シャル」とは【概要・人間関係を解説】
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神名備

薊(あざみ)

階級が大佐以上の神奈備の男性。

黒いピアスをして、黒髪をセンターから少しずらした位置で分けて右目を隠している。私服は、分け目と同じ位置に前立てがあり、ポケットが複数ついている独特のセンスのシャツを着ている。

国重・柴とは18歳以前からの友人で、チヒロとも元々面識があった。柴とは気兼ねなく接する仲だが、薊は堅苦しく慎重なものの考え方をするため、そういったところは敬遠されている。

チヒロや神奈備の部下には柔和な態度で接する。

7話では俊敏な身のこなしを見せており、妖術を一切使わずに妖術師を倒した。その際、線状の電気のようなものを指で摘まむ素振りを見せたが、敵が降参したため妖術の性能は判明していない。

双城は、精鋭6人の神奈備より薊と柴を危険視していた。

神奈備である薊には国の脅威となる妖刀・淵天を確保する義務があるが、事情を考慮してこれまでチヒロを見逃してきた。

だが、カザネがチヒロと淵天の存在を神奈備に報告したことで、それらを隠し立てしていたのではないかと神奈備上層部から疑いの目を向けられている。

カグラバチの「薊」とは【概要、人間関係や強さ等を解説】
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香狩 緋雪(かかり ひゆき)

「香狩 緋雪(かかり ひゆき)」は、唯一妖刀に対抗し得る『個』である神奈備最強の妖術師。

規格外の異能「炎骨(えんこつ)」を使うことができ、柴は「〝餓者(がしゃ)の炎骨〟の懐柔主(かいじゅうしゅ)」と呼んでいる。

「『炎骨(えんこつ)』」「胴体までの使用許可が降りた」と通達されていることから、「炎骨」の使用には部位ごとに制限が掛かっていると思われる。

「炎骨」は、緋雪が「陸郎(りくお)」という存在に呼びかけ、手や肋(あばら)の骨などの部位を召喚して使用している(※炎骨の詳細については下記妖術の項を参照)。

性別や年齢は判明していない。だが、ヒール付きのブーツを履いる事や、喋り方から若い女性である可能性が高い。

中性的な美形で、黒髪、独特な耳飾りをしており、学生服のような服を着ている。

神奈備上層部は、「淵天」を使用し「刳雲」を持ち去った六平チヒロとの接触と、彼から妖刀を回収するために緋雪を送り込んだ。

緋雪は、妖刀は個人が扱ってはならず神名備が管理すべきと考えており、「個人が利己的に妖刀を振るえば、カザネが仲間を失ったような不幸がまた生まれる」等とチヒロを指弾した。

チヒロが自分の主張に真正面から向き合ったため本気を出せないでいると、立場とプライドのせめぎ合いになり暫し葛藤している。結局「本気で殺る気」になったが結界が解けてチヒロ達に逃げられてしまう。

チヒロ達が妖刀・真打を狙っている事を知った彼女は、楽座市当日に会場に侵入しチヒロと接触した。そして、淵天と命滅契約をしているチヒロを保護し、悪人に渡った淵天が使用不能にした上で真打を落札しようとする。

チヒロは楽座市で犠牲になる人命の話をして付け入ろうとするが、チヒロにした主張と神名備の立場と犠牲になる人命に揉まれてフラストレーションが限界まで溜まった緋雪は、それらの取捨選択を一度放棄する。

緋雪は、チヒロに淵天と真打を奪わせた後で彼を殺すと決め、一時的な共闘関係を結んだ。

「香刈緋雪」の強さや妖術などの概要を解説【カグラバチ】
カグラバチの「緋雪」の基本情報、人間関係、妖術、強さについて解説しています。

美原 多福(みはら たふく)

力士の格好をした神名備の青年。

緋雪の六平チヒロとの接触及び妖刀回収の任務に同行している。

対象を現実世界から隔絶された空間(結界)に閉じ込められる妖術を使う。設定した者同士の勝負がつくまでこの結界からは出られない。

21話では、チヒロと共にいた伯理が気絶したため勝負がついていることになり結界が解除された。そのため、結界に入った味方か敵方の誰かが一人でも意識を失う、もしくは死亡すると結界が解除されると推測される。

緋雪の性格・行動原理をよく捉え、冷静に周囲の状況を分析しており、緋雪に後方から注意を飛ばしている。

チヒロは標的だが、緋雪の主張に真正面から向き合おうとしている姿を内心で「正直かっけぇ」と高く評価している。

萩原幾兎(はぎわらいくと)

神奈備の精鋭で薊の直属の部下。
双城を討伐するために編成された対刳雲特選部隊の隊長を務めた。

メガネを掛け、側頭部・後頭部を剃り上げており、背中まである髪を三つ編みにしている。

薊の友人で元神奈備の柴を君付けで呼ぶ生意気さを見せる。一方で、双城から市民を守りシャルを助けようとするチヒロに温情をかけて、シャル救出の許可を出す一面もある。

妖術は磁戒(じかい)。氷に突き刺さった刃物を遠隔で飛ばしたり、広範囲の地面に強い衝撃を与えたり、電気を帯びた具柄を即席の電磁砲として猛スピードで発射させたりしている。

チヒロの助言を受け、他の精鋭5人の指揮を執って双城に立ち向かった。しかし、返り討ちにされ敗北している。

海底で下半身が巨石の下敷きになっていたが、一命は取り留めた。薊の報告によると、両足を失っており未だ意識を取り戻していないという。

真智 カザネ(まち かざね)

神奈備の精鋭の少年。短髪を脱色している。

才気ある若者に突っかかる人物で、双城から多くの人の命を救ったチヒロにも不平をこぼしていた。

双城の討伐時には、妖術「岩垂(がんすい)」で巨大な岩を浮かせる「張間 梓弓(はりま しゆみ)」の護衛であり奥の手として離れた位置に配置されていた。

だが、刳雲の本領に至った双城が前線で戦っていた2人の精鋭を死傷させてしまう。そのため、奥の手である妖術「怪魑(かいち)」を発動させようとするも、その寸前に右手を斬り落とされてしまった。

双城戦後が描かれたコマでは海岸に座っており、放心しながら「妖刀(あんなもの)…」「この世にあっていいはずがない…」と呟いている。

その後、チヒロが双城を倒したこと、彼が国重の息子であること、記録にない妖刀・淵天の持ち主であることを神奈備に報告。

薊とチヒロの関係は明言しなかったものの、妖刀を野放しにする事に反対の立場をとった。

また、「怪魑」は双城戦でも奥の手として温存されており、神奈備上層部からの評価が高い。

張間 梓弓(はりま しゆみ)-岩垂ちゃん

対刳雲特選部隊に選抜された神奈備の精鋭。女性。

左目の下に2つのホクロがあり、目玉を模した装飾がある髪飾りで黒髪をポーニーテールにしている。

妖術「岩垂(がんすい)」は片手で印を作ると地面から直方体の岩の壁を生やすことができ、遠隔で発動可能。この術で双城の「鳴」を防いでいる。

両手で手を合わせて印を作った場合には、数十メートルに及ぶ巨石と他に複数の大岩を作り出すことも可能。双城討伐作戦では、上記の岩の全てを浮遊させたまま2km先の海岸まで移動させた。

しかし、「鳴」の本領に至った双城に、超高速で首を斬られ絶命している。

具柄 一(くがら はじめ)

角付きの面をかぶった神奈備の精鋭。長身の男性。

「ウォホォ」「あァ」等と奇声を上げて、高いテンションで振る舞うことが多い。

妖術は「鉄化(てつか)」。面や手を鉄のように硬くすることができ、その強化の度合も調整できる。

双城の討伐作戦の際、隊長の荻原が受けた電撃を利用して「磁戒」で具柄を飛ばしている。この即席の電磁砲攻撃で双城の腹部に重傷を与えるが、刳雲の本領に至った双城に左半身を損壊され絶命した。

卯月 清彦(うづき きよひこ)

マスクをつけた神奈備精鋭。対刳雲特選部隊の一員。

衣服にはフードが付いており、目はつり目、髪は黒髪の短髪、身長は子供くらいしかない。

後輩のカザネがチヒロにつっかかるのをフォローしており、他にも言葉の端々から気遣う優しさが窺える。

妖術「如縛(じょばく)」は、物質化したこけしを飛ばし、そのこけしから出した紐状の黒い玄力で相手を拘束する。

殺害された場面は描かれなかったが、18話で殉職したことが判明した。

笠原 誠(かさはら まこと)

神奈備の精鋭の男性。対刳雲特選部隊のメンバー。

外見は、子供がする髪型のようなマッシュショートで、鼻の上に黒い横戦を引いており上背がある。

手を巨大化する妖術を使い、巨大化させた手を組んで振り下ろして凄まじい衝撃を作ったり、卯月の「如縛」と一緒に双城を一時取り押さえたりしています。

チヒロが立てた作戦と他の精鋭との連携によって、笠原が刳雲を握り回収に成功したかに見えました。しかし、双城が「鳴」の本領で自身を刳雲に引き寄せた際に左肩の周辺を広く切断されています。

後に、薊の上層部に対する事後報告で殉職したと伝えられました。

漣家

漣 伯理(さざなみ はくり)

「漣 伯理(さざなみ はくり)」は、闇の競売「楽座市」を取り仕切る有力な妖術師の家系「漣家」の人間。漣家当主漣京羅の息子。

髪の色素は薄く、左の耳元あたりの髪を伸ばして結んでいる。

双城が街中で全方位放電を使った際に、チヒロに命を救われていた。この時、チヒロが絶体絶命の状況から立ち上がろうとする姿から侍の精神性を感じ取り、以降チヒロの事を侍と呼ぶようになる。

とある事情で家族を全員失い無気力になっていた伯理は、上記チヒロの姿に触発されて奮起している。そして、ヤクザ達にさらわれそうになった女児を助けたが、激昂したヤクザ達に自分がさらわれてしまう。

袋叩きにされまた心が折れかけた瞬間、漣家とのコネを掴むためヤクザを殺して回っていたチヒロに再度救われる。

伯理は、人間や人の遺体すらも売り買いされる「楽座市」を破壊することを手伝って欲しいという。

漣家で生きてきた彼は「楽座市」の異常性に気づき、競売の妨害をしたため漣家を追放されている。

2人の前にチヒロの追手である神名備最強の妖術師・緋雪が立ちはだかり、「お前が妖刀を振るい続ければ」「また不幸が生まれるぞ」とチヒロを責め戦意を奪う。

緋雪が勝利を確信しながら拳を振り上げた瞬間、伯理がチヒロを庇って攻撃を顔面で受け吹き飛ばされる。そして、「俺はお前に救われたんだ」「その刀ァ似合うのは」「お前!!!」といってチヒロが奮い立つきっかけを作った。

その後、チヒロ達の拠点にいき行動を共にすることになったが、伯理を探していた兄の漣 宗也(さざなみ そうや)と遭遇してしまう。

宗也は伯理を溺愛している一方で暴力を愛情表現だと思い込んでおり、彼に怯えきった伯理は死んでもおかしくない高さから飛び降りて逃げようとしている。

伯理を助けた宗也は傘を持ってきたヒナオを一目見て、彼女に悪影響を受けたから反抗するようになったと勘違いし殺害しようとする。

その後、ヒナオを逃がそうとした伯理が宗也に顔面を殴られるも、駆けつけた柴が宗也と共に上空に瞬間移動したため危機を脱したかに見えた。

京羅は、宗也の「せっかく伯理を見つけたのにィ!!」という言葉を聞いて、伯理がチヒロ達を手引したと気づく。

伯理は「蔵」に商品として登録され、自由に呼び出せるようにされていた。京羅の足元に引き寄せられた伯理は人質にされてしまい、「何の役にも立てず」「ただ害をなすこいつに」「生きる価値はない」とまで言われる。

それでも追放で済ましたのは息子を手にかけたくなかったからだが、柴に人質としての価値はないという態度を取られて殺そうとする素振りを見せる。

しかしチヒロは京羅を制止し、伯理を助けるために淵天を差し出した。

伯理は親に殺意を向けられた事と、自分のせいで淵天を差し出すことになった事で意気消沈してしまう。

そんな伯理にチヒロは、「お前は(自分の)背中を押した」「お前が頼りだ」などと言って、今度は逆に伯理を奮起させている。

楽座市開催日、伯理は凪浄苑の緊急用扉前を警備していた宗也を、他の濤から引き離そうと試みる。

伯理がチヒロがいる地上に向かって走ると、彼を宗也が追いかけてきたので分断が成功する。

だが、チヒロと合流できる寸前で、毘灼が樹で通路を塞いでしまう。

チヒロや柴に助けを求めるか逡巡する伯理だったが、チヒロ達の優しさに報いたいと本気で思い、宗也を倒す事を決意。

そして左目から黒いオーラを出し、威葬発動時の姿勢を取っている。

カグラバチの「漣 伯理(さざなみ はくり)」とは
カグラバチの「漣 伯理(さざなみ はくり)」の基本情報について解説しています。

漣 京羅(さざなみ きょうら)

漣家の当主で楽座市の首席競売人の男性。

常に落ち着いた態度で、何事も人事のように話す掴みどころのない人物。白髪で白い髭を生やしており、年齢は60前後に見える。

漣家の妖術師の上澄みである「濤(とう)」に自身を警護させている。

妖術使用時には左目がアイマスクで覆われる。その周囲から黒いオーラが漏れ、左目の瞳孔は白くなり、他の白目がある部分は黒一色に変化する。

楽座市への出品物は妖術によって形勢された「蔵」に保管されており、漣家の嫡流の血を引いた者のみが「蔵」の管轄を許されている。作中では、今のところ京羅だけが「蔵」に干渉できている。

「蔵」は代々漣家当主に受け継がれてきたものだが、チヒロに「蔵」に保管している出品物の映像を見せた際には、「私の妖術で映像として映し出しているだけさ」と言った。

京羅は、自分が死ねば「蔵」とそれに保管されている商品も消滅すると言っているが真偽は不明。

楽座市を成立させる事に異常な執着心を抱いている。23話ではチヒロに刀を突きつけられたまま、楽座市への出品物である真打を渡さないために駆け引きをしている。

チヒロ達が善人で他人の命を賭けられないことを見抜き、上記駆け引きの末に自分の命と真打を護った。

他にもチヒロ達に自分には手出しできないと理解させてから濤を呼ぶ、伯理を人質にして淵天との交換に成功するなど、非常に駆け引きに長けた人物である。

楽座市を妨害する伯理を手に掛けるのには抵抗があったため追放で済ましたが、その恩情を無下にされたため怒りと悲しみに剣を持つ手を震わせ、斬ろうとする素振りを見せている。

また、国重の息子であるチヒロに面と向かって「六平国重が死んでくれたことで」「真打は見合った評価を受けられる」と言い放って揺さぶっている。

真打に関しては「命は最大の価値」「数多の価値を奪った真打は最高の評価を授かるべきなんだ」などと、双城に近い評価をした。

楽座市当日、濤の全員を凪浄苑の警備に当て、自身は1人で壇上に上がっている。

漣 宗也(さざなみ そうや)

漣 宗也(さざなみ そうや)は伯理の5つ上の兄で、漣家当主の京羅の息子。漣家当主親衛隊「濤(とう)」の一員。

長身でピアスをしており、左目あたりの髪を髪留めで2つにまとめて垂れ下げるという独特の髪型をしている。

実は父の京羅より頭がいいのだが、伯理に関する事となると冷静ではなくなり、極めて感情的な行動を取る。

伯理を溺愛し、伯理のことを自分勝手に解釈する思い込みの激しい人物。

伯理が漣家に歯向かったのも、楽座市の商品にされていた女性に唆されたからだと勘違いしている。

伯理に傘を持ってきたヒナオに対しても同様の誤解をした上、彼女を殺せば伯理が自分の下に戻ってくると間違った判断をしている。

この際に涙鼻水を大量に垂れ流し、異常性がはっきりと分かる表情で「弟ォ返せ」等と無茶苦茶な事を言いながらヒナオを襲おうとしていた。

また、殴ったり蹴ったりするのが愛情表現だと思い込んでおり、伯理はこれまでに暴力を振るわれてきたためトラウマを植え付けられているようだ。伯理がヒナオを助けようとした時にも、顔面に強烈な殴打を叩き込んでいる。

その後、ヒナオが電話で呼び出した柴が瞬間移動で駆けつけた。更に宗也ごと上空に瞬間移動し、空中で戦闘を開始。この時にも宗也は「弟ォ返せよ」「まじでァ!!」などと自己中心的な要求をしている。

宗也は威葬を進行方向とは逆に放出して加速し、マンションの外階段を大きく損壊させる威力の威葬を放っている。

柴はその威力に驚き、宗也と同レベルの3人と京羅を同時に相手にしているチヒロを心配したため、宗也を連れて瞬間移動し再度漣家に戻っている。

楽座市当日、宗也は他の濤と凪浄苑を守ることを命じられる。だが、宗也を濤から分断しようとしていた伯理を追いかけてしまう。

宗也は伯理に追いつくが自分が拒否されたため、その原因はチヒロ達に悪影響を受けたからだとまた誤解する。

一方、伯理はチヒロ達の恩に報いるため、宗也を倒すことを決意。威葬の姿勢を取って、目から黒い玄力を出している。

主人公と敵対関係にある人物

六平家を襲った三つ編みの妖術師

国重を襲った毘灼の妖術師の一人だが、名前は判明していない。

「ハットをかぶり、羽織の下にシャツを着てネクタイを締め、長い三つ編みを左肩にかけている」という独特の格好をしている。右の目は白目があるべき部分が真っ黒で、小さな白い瞳が描かれ、左手の甲に炎の文様がある。

ヤクザの背後について上納金を受け取っていた。「勇気は多くの場合、無知から湧き出るもの」と言い、ヤクザ・爻龍組(こうろうぐみ)の追放運動をしていた青年が妖術を知って怯え、妖術を初めて見たことを確認すると納得して去っていった。

また、ヤクザの親分の体に術を仕込み、毘灼について聞き出そうとした者を抹殺しようもとした。これは大規模な術で、柴は「術者は相当の手練れで間違いないぞ」と言っている。

刳雲・真打ちを与えた双城を会合に呼び出して状況報告をさせており、楽座市で妖刀を使って何かを起こそうとしている。

双城がチヒロのゼロ距離「涅」で斬られた際、駆け寄った柴の背後の離れた場所に三つ編みの妖術師らしき人物が描かれたが、同一人物かどうかは不明。

楽座市では樹の妖術で通路を塞いで、チヒロと伯理を分断している。

双城 厳一(そうじょう げんいち)

国を股にかける武器商人で十年以上も神奈備のブラックリストに載っている裏社会の大物。女子供も平気で殺傷する残酷な人物。

妖刀・刳雲(くれぐも)の所有者であり、妖刀・真打を楽座市に出品しようとするなど毘灼と強い繋がりがある。

双城は自分勝手な解釈で六平国重の信念を理解したつもりになっており、自分だけが国重の理解者だと思い込んでいる。国重の一番の理解者であるチヒロに対しても「…何も分かってないよ」「お前は」と断じている。

ダルマを雇ってシャルをさらわせようとしたり、淵天とシャルを奪ってくれば「いくらでも払う」といって東京中の妖術師にチヒロ達を襲撃させたりした。

その後、シャルの拉致に失敗したダルマを粛清し、妖刀使い同士で戦うため喫茶店ハルハルを強襲した。チヒロとの激しい戦闘の末に、到着した柴・薊との戦闘を避けるため「降(こう)」で目眩ましをし逃亡。双城の仲間がシャルを拉致する。

双城は、雫天石と鏡凪一族のシャルの細胞を使って、妖刀を超える新たな武器を作ろうとしていた。しかし、雫天石の安定化には「痛くなくなって欲しい」という他者への強い想いが必要で、双城はそうした「善意」や「幸せ」を切り捨ててきたため、使用者の肉体を破裂させてしまう欠陥を克服できなかった。

戦闘に関しては、膂力・速さがチヒロよりも数段上で通常の「錦」にも対応し、刳雲を預かって一週間でその能力を平然と使っている。ただし、溜めありの高出力「鳴」の後にインターバルがある事は知らず、刳雲の能力の詳細を把握してはいなかった。

また、神奈備の精鋭6人で編成された対刳雲特選部隊と1対多数での戦闘となるも、刳雲の本領に到達して「鳴」を全身にまとい返り討ちにしている。

特選部隊との戦闘で腹部に重症を負いながら自分の拠点に戻り、そこで「涅」と「錦」の本領を会得したチヒロと対決。超スピードで斬り合う2人だったが、双城がチヒロの右手を切り落とす。

更に玄力の消費を倍にして猛攻をしかける双城に、チヒロは3倍の玄力をまとって双城の左腕を落とし、突如「錦」を解くことで斬撃を一歩手前でやり過ごした。

そして、双城は「涅」をゼロ距離から食らって敗北し、致命傷を負った。

死に体の状態で血を垂れ流しながら這って地下研究室に向かう双城。せめて事切れる前に国重と並びたいと考え、雫天石を握るが制御できず手が破裂してしまう。

その内、体中が割かれ始め「ただ俺が」「お前の全部を斬り伏せただけだ」というチヒロの言葉を頭に浮かべながら絶叫を上げ、城が崩れるほどの爆発を起こして死亡した。

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ダルマ-円法炸(まどかのりさく)

ネクタイとシャツの上に修験者を思わせる上衣を着ている、双城が雇った妖術師。

だるまを物質化して爆破する「不落」と、手から紐状のものを物質化して人を拘束する妖術を使う。

双城に雇われたダルマはシャルを捜索していた際、チヒロを護衛と勘違いし「不落」でそば屋を爆破している。

一度捕まえたシャルを奪い返されたので、彼女の逃げる気力を失わせるために、死亡した母親のことを侮辱しながらチヒロを見せしめに殺すと煽っている。しかし、チヒロに「猩(あか)」でコピーされた「不落」を撃たれて敗北した。

その戦闘後に拘束され、柴に尋問を受けた。あらかた情報を吐かされた後は、柴に違った生き方を見つけろと助言され、妖術師を辞め更生することを決意する。

だが、双城に「仕事をまっとうしなかったツケ」として、更生することを打ち明けた姉と母親を殺傷された。ダルマは、腹を刺された姉ごと自爆しているが、刳雲の能力で凍らされ時間間隔が狂っていたため双城を巻き込むことはできなかった。

ダルマは姉が死んだと勘違いしていたが実はまだ息があり、ダルマの自爆がとどめを刺した形となっている。

その他

六平国重(ろくひらくにしげ)

普段は周囲の人間を呆れさせるような言動を取るチヒロの父親。しかし、国で最も有名な刀匠で刀作りには誰よりも真剣に向き合っており、そうした態度は息子のチヒロからも尊敬されていた。

独自の加工法で妖刀を作り出せる唯一の人物で、戦前に6本の妖刀を作り出し、これらの妖刀が斉廷戦争(せいていせんそう)を終結に導いたといっても過言ではない。

国重は3年2ヶ月ほど前まで、結界の張られた自宅と工房でチヒロの成長を見守りながら刀作りに精進していた。だが毘灼の襲撃で殺害され、6本の妖刀が強奪されている。実行犯は3人の妖術師だった。

チヒロが使用している妖刀・淵天は、戦後に長い年月を掛けて製作され、国重が毘灼から命に代えて護ったもの。

死後、終戦記念に国重の生涯の軌跡を紹介した特別展が行われ、大勢の人が終戦に貢献した功績を讃えるほど英雄視されている。一方で、神奈備内には国重に悪感情を持っている者達が存在し、中には国重から妖刀を奪おうとしていた者もいるという。

柴と薊とは18歳以前からの親しい友人であり、2人は国重の隠居を手引している。

ヒナオ

喫茶店ハルハルで妖術師の斡旋をしている少女。前髪を染め、左右の髪を団子結びにしている。

チヒロのクールな性格が好きらしく、彼の淡白な態度を見ると喜ぶ。チヒロとシャルにはやさしく接しているが、一方で声がでかいオッサン(柴)には時折ぞんざいな態度となる。

天然なところがあり、小さな子どもであるシャルの発言を真に受けて、チヒロ達を呼びつけていた。

シャルを拉致しようとした双城の仲間に斬られたが、一命はとりとめている。

双城戦から18日後には退院している。しかし喫茶店ハルハルの修復であるため、チヒロ達の拠点でシャルの面倒を見ている。

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斉廷戦争で真打を振るった「剣聖」

斉廷戦争で真打を振るった男性は「剣聖」と呼ばれている。

現在は神名備の保護化にあり、高さ数メートルある巨大な柱数本に囲まれた場所にいる。薄暗く、柱には注連縄が巻かれており、札が何枚も貼られているという異様な空間。

そこに着流し姿で乱れた髪にやつれた表情をして座り込んでいる姿が描かれた。

自身の意思でいるのか監禁されているのかは不明。

他の妖刀を振るった者

18話で、斉廷戦争で妖刀を握った者達が以下のように一コマずつで描かれた。

「タバコを吸い、閉じた両目の上に真一文字傷があるスーツ姿の男性」
「ツインテールをリボンで結んだ少女のような女性」
「三度笠をかぶってピースする人物」「ねじり鉢巻きを被った板前のような中年男性」

ただし、斉廷戦争で刳雲を握った者は、国重殺害と同時期に殺害されたという。死後、刳雲の所有者は不在となり、双城厳一が命滅契約を結んで所有者となった。

カグラバチの用語

妖刀(ようとう)

独自の加工法で妖術を刻み込まれ、特別な力を発揮する刀。妖刀は六平国重のみが作り出すことができ、斉廷戦争時に6本を世に出している。

戦争終結後には6本全てを回収し、六平の工房地下に隠していた。戦後に製作したのは妖刀「淵天」だけで、7本の妖刀はそれぞれ別種類の能力を発現できる。

妖術は体外で物質化して使うが、妖刀の術は玄力そのものを使う。

妖刀は込めた玄力を増幅させ、人の身体で生成・保持不可能な程の超高密度に練り上げる。妖術師を超えたその玄力の塊は、むき出しとなって形を為す。

妖刀の能力は凄まじい威力であり、チヒロは帯刀したヤクザ数十人を淵天の「涅(くろ)」の一撃で斬り伏せた。戦地で戦った柴は「こいつ(国重)の作った名刀達が戦いを終わらせたと言っても過言じゃないからな」と讃えている。

六工(ろっこう)

淵天の前に作られた6本の妖刀を指す語と考えられる。

命滅契約(めいめつけいやく)

六平国重が全ての妖刀に施した制限機構。一度妖刀の所有者となれば、その所有者だけが妖刀の力を使えるという契約。

妖刀の所有者が死んだ際には、別の者が新たな所有者となれる。そのため斉廷戦争で刳雲を振るった元所有者は、六平家襲撃の前後に殺害され双城が所有者となっている。

妖刀の本領

妖刀には理論を超えた「本領」があり、それは作刀時には想定していなかった力を呼び起こすというもの。

妖刀の原料である雫天石は性質の全てが解明されておらず、理論的な際限は妖刀の持ち主によって変貌し得ると国重は言っている。

6話では、「妖刀の本領」を発揮した甚大な破壊を生み出している画が一コマだけ描かれており、14話ではチヒロが淵天の本領「涅 千(くろ ちぎり)」を発現させている。

淵天(えんてん)

斉廷戦争終結後、長い年月をかけて最後に完成させた7本目の妖刀。国重が「毘灼」の襲撃から命に代えて護った刀で、チヒロが使用していた。

淵天の存在を知っているのは、柴や神奈備の国重擁護派などごく一部の人間のみだった。

だが、伯理との引き換えを条件にされて漣京羅の手に渡ってしまい、楽座市への出品されたので多くの者が知るところとなった。現在は、「蔵」に保管されている。

鞘から刀身を出すと空中に金魚と水が投影される。3匹の金魚はそれぞれ別の能力を持っている(下記参照)。

金魚はチヒロの玄力が凝縮されたもの。自由自在に操作でき、金魚の周囲をぼんやりと知覚することが可能。チヒロは、敵地に先行させて偵察する使い方をしていた。

妖刀が自分から離れた場所にある場合でも金魚を出せるが、手放す前に妖刀に玄力を備蓄した分だけしか動かせない。

現在、チヒロは遠隔で金魚を出して「蔵」の場所や攻略法を探っている。

「涅(くろ)」

黒い出目金の能力「涅(くろ)」は、飛ぶ斬撃。玄力そのものを飛ばし、自分から離れた対象を斬ることができる。

雑魚狩りや牽制に使われることが多い。

「涅 千(くろ ちぎり)」

淵天の本領。

「涅 千(くろ ちぎり)」は20の小さな「涅」の集合を離れた対象に浴びせる技。

肉体に負担をかけずに、コンパクトな振りで素早く高出力の斬撃を放てられる。

だが小さな「涅」は、一つ作るのに通常の「涅」と同じ玄力の消費量が必要な上に威力も低い。それを20も作り出すため、大量の減力が必要となる。

「千」発動時には、黒い出目金が広範囲に数多く出現する。

「猩(あか)」

赤い金魚の能力「猩(あか)」は、吸収した能力を使えるというもの。

チヒロが「不落」を吸収した後に、切っ先を相手に向けて「猩 不落」と言うと吸収した不落と同じ爆発が起こっている。

「錦(にしき)」

3色の金魚の能力で、一挙手一投足に高密度の玄力が上乗せされる。それによって攻撃力と速度が通常時よりも数段上昇する。

「錦(にしき)」の本領

「涅 千」を修得時、「感覚的な理解(それ)は加速する」というナレーションが書かれた。その直後、「錦」を使用しているため、錦の本領を修得したと考えられる。

通常の「錦」と違って、体への負担を和らげる「」動きの補助」だといいます。

16話の最後で双城相手に使用した「錦」は、ナレーションで「奥義」と説明されていました。双城の「鳴」の本領に対抗する場面で「錦」を使用していますから、「錦」の本領は「涅 千(くろ ちぎり)」より強力な技だと考えられます。

刳雲(くれぐも)

刳雲(くれぐも)は、3つの属性を司る妖刀。能力使用時には雲の龍が現れる。威力を大幅に上げる溜めがあり、これは刳雲の戦闘における大きな要素である。

17話でゼロ距離から放たれた「涅」を受けた際に、刳雲の刀身は折れてしまった。

双城の死後、チヒロが刀身が折れたまま命滅契約を結び「鳴」の本領を使用している。

チヒロは「あと数回使えば刳雲は死にます」と言っており、折れる前より出力も下がっている。

「鳴(めい)」

「鳴(めい)」は、殺傷性が高い雷の属性。

溜めなしでも壁に大穴を開けるほどの電撃を放つことができ、長く溜めれば全方位放電で広範囲攻撃をすることも可能。後者は直撃すれば、神奈備の精鋭でも一撃死するという。

ただし、溜めを作った高出力の「鳴」を撃った後は、十数秒のインターバルを置かなければ次の「鳴」が撃てない。このインターバルの間に下記「結」を使用することは可能。

鳴(めい)の本領

「鳴」を溜めて、その雷を体にまとう技で、膂力とスピードが段違いに上がる。

双城は、雷を身にまとうと、離れた場所にある刳雲に自分を引き寄せている。

「結(ゆい)」

「結(ゆい)」は、攻防のバランスがいい氷結の属性。

人を刺して凍らせる、正面を数メートルに渡って凍らせる、周囲に大きな茨のような氷を展開して敵の接近を妨害・感知することができる。

また、刺されて「結」で凍らされたダルマは、数秒間から数十秒間意識が停止させられたように描かれた。

「降(こう)」

雲のような煙幕を出して、陽動・目眩ましに使うことが出来る。

他に、水を周囲に放出することが可能。その水に威力が最低レベルの溜めの少ない「鳴」を伝わせて、広範囲の必中攻撃にする使い方がある。この連携が刳雲の基本戦術である。

「降」で出した水を「結」で氷結させ、巨大な氷柱を何本も作り出しています。

「降」は比較的溜めが少ない。

真打(しんうち)

妖刀六工の中でも無双の一振りとまで評価されている六平国重の最高傑作。

真打が収められた箱は、他の妖刀のものとは違って注連縄が巻かれている。

能力の詳細は不明。

闇の競売が行われる「楽座市」に双城が出品するはずだったが死亡したため、出品者の名義だけ変更され予定通り出品されるという。

雫天石(だてんせき)

妖刀の原料となる特殊鉱石。斉廷戦争時に発見され、未だ250kgしか確認されていない。

雫天石に込めた玄力は増幅し、人体では生成保持出来ないほど高密度になる。だが、そうすると込めた者の体内にまで高密度の玄力が流れてしまい、体が張り裂けて死んでしまう。

雫天石の力を安全に使うための安定化は、歴史上で六平国重ただ1人しか成功していない。

双城は上記安定化の鍵が鏡凪一族の細胞だと考え、シャルの肉体を使って新たな武器を作ろうとしている。

双城は「(この雫天石を使えば)一時的に妖刀と同等の力が使える」と反社会組織の者を騙して、安定化させるべく試作した雫天石の実験台にしている。しかし、まだ欠陥が残っていたため、使用した妖術師は妖刀と同等の力を使った後に肉体が破裂して死亡している。

凪浄苑(なぎのじょうえん)

漣家が所有している地下墓地。楽座市の会場の最下層にある。

漣家当主が突然死した場合、「蔵」から商品を搬出するための非常口「緊急搬出用扉」がある。

当主を交代する際の「継承の儀式」もここで行われる。

妖術

玄力(全ての人間が持つ生命エネルギー)から構築された術で、体外で玄力を物質化して発動させるというもの。死ぬほど努力すれば誰でも扱うことが可能だという。

結界に侵入者があると感知する、瞬間移動、達磨を物質化して爆発させる、秘密を漏らすと対象者を抹殺しようとするなど、妖術師によって能力の性能や特性が違う。

威葬(いそう)

漣家の妖術師が使う妖術で、敵に衝撃を放ったり、進行方向とは逆に放って加速することができる。後者は今のところ宗也しか使っていない。

また、宗也の威葬はマンションの外階段を大きく破壊しており、他の者の威葬よりも高い威力を発揮している。

柴は威葬のことを「噂には聞く漣家の戦闘手段」「衝撃を生み司る」と警戒していた。神名備上層部も漣家の妖術師達を危険視しているため、トップクラスの妖術師からしても警戒に値する術といえる。

伯理と瓜二つの「濤」の妖術師は、両手の小指と薬指を握り、右手の人差し指と中指を折り曲げ、他の全て指を伸ばした形の手印を作っている。

一方、宗也と「濤」の髪を三つ編みにした妖術師は、両手の全ての指をやや折り曲げて、手の平を敵に向ける手印を作っている。

ただ、伯理と瓜二つの少年は、二本の刀を構えたまま衝撃波を出してチヒロの勢いを殺しているので、あの衝撃波が威葬であるならば手印は必要不可欠ではないことになる。

その場合の手印ありとなしの差については不明。

「炎骨(えんこつ)」

「炎骨(えんこつ)」は、「香刈 緋雪(かがり ひゆき)」の妖術。他の妖術とは一線を画す異能で、その力は妖刀と同格扱いされている。

柴はチヒロに緋雪の脅威を説明する際に「〝餓者(がしゃ)の炎骨〟の懐柔主(かいじゅうしゅ)」と言っているが詳細は不明。

緋雪が「炎骨」を使用する際に、「陸郎(りくお)」という存在に体の部位を使わせろと呼びかけている。こうした発言から「陸郎」という炎をまとった骨だけの存在を召喚していると考えられる。

「手」を召喚した際には、炎を進行方向とは逆に噴射して速度を上げ、巨大な手の骨でチヒロを殴りつけていた。チヒロはその攻撃を「猩(あか)」で防御しようとしたが全てを吸収することが出来ず、左肩を燃やされている。

「肋(あばら)」は、離れた場所にいる相手の足元から突如出して攻撃したり、自分の周りに出したりして炎で防御することが可能。

21話で「脊柱(せきちゅう)」を出そうとしたところ、多福が「本気で殺る気だ」と考えているので、これが最も強い攻撃である可能性が高い。

部位によっては使用許可が必要となり、18話では「〝炎骨(えんこつ)〟胴体までの使用許可が降りた」との通達を出している。

岩垂(がんすい)

神奈備の精鋭の女性が使った妖術で、10話では岩の壁を作り刳雲の「鳴」を防いでいる。

13話では、空中に直径30メートルを超える岩の塊+複数の大岩を浮かせた。仲間の「2キロ先に海だ」というセリフから、これらの岩を空中で移動させていると考えられる。

蔵(くら)

「蔵」は妖術で形成された亜空間で、漣家の当主に連綿と継承されてきた。

楽座市に出品される物品は「蔵」に保管されており、搬出入を含めた全権限は漣家嫡流の血を引いた現当主・漣 京羅にある。

「蔵」に登録された物品は京羅が自由に出し入れできる。「蔵」の外にあり、京羅からかなり遠い場所にある物でも即座に引き寄せる事が可能。京羅の周囲でだけなく少し離れた任意の場所へ出すこともできる。

商品として登録した人間も例外ではない。25話では、遠方にいた伯理を足元に呼び出しており、「濤」の妖術師の足元に「蔵」に保管されていた武器を出してもいる。

また、京羅は「私が死ねばこの蔵も消滅する」「商品諸共な」とチヒロに話しているが真偽は判明していない。

磁戒(じかい)

荻原幾兎の妖術。

氷に刺さって静止したナイフに磁戒で力を込め、対象に猛スピードで飛ばしている。また、岩垂で宙に浮かせた巨大な岩に衝撃を与えることで、地面を押し下げて「降」の水を弾いてもいる。

不落(ふらく)

ダルマが使った妖術。「不落(ふらく)」と口にすると達磨が物質化され、それが爆発する。

結界

六平の住居と工房は、結界によって隠され守られていた。そして、何か異変があると柴が感知できるようになっていた。

玄力(げんりょく)

妖刀の術や妖術を構成する生命エネルギー。玄力は全ての人間の中に眠っている。

「錦」や「鳴」は玄力を体にまとって使う。その際、消費量を2倍3倍と上げればそれに応じて術の効果も上がり、膂力やスピードを大幅に高めている。

妖術師

妖術と呼ばれる超常的な力を使う者のこと。

妖術師の殆どは都会にいて、地方ではあまり見かけない。

元々、妖術師は表社会に関与しない影の存在だった。だが、斉廷戦争で活躍し社会がその存在を認知したことで、戦後は堂々と活動するようになった。

毘灼(ひしゃく)

六平国重を殺害し6本の妖刀を強奪した妖術師組織。少数精鋭の妖術師集団との情報もあるが定かではない。

構成員で判明しているのは六平家を襲った3人のみで、それは三つ編みの妖術師・女性らしき人物・武者姿(足だけしか写っていない)の人物。

4年ほど前から少しずつ動きを見せていて、国重殺害後は大した動きを見せてこなかったが、楽座市で妖刀を使って何か大事を始めようとしている。

神奈備(かむなび)

国に雇われている妖術師。または、その集団・組織。

戦後に発足し、国の脅威となるものを排除する目的で組織されており、個人的な問題には関与しない。

大佐以上の神奈備は私服で活動する。

双城は、妖術師達が白日の下で活動するようになっても日本社会が崩壊しないのは神奈備が管轄するからだと言っている。

濤(とう)

「濤(とう)」は漣家当主の親衛隊。漣家の妖術師は約50人いるが、その中の上澄みの4人を「濤」と呼んでいる。男性3人と女性一人で構成されており、主な任務は当主の身辺警護。

伯理は、漣家の子供全員の憧れだと話している。伯理の兄・宗也(そうや)も「濤」の一員で、他の2人(少年と少女)も伯理と顔つきが似ているので兄弟の可能性が高い。

伯理と顔つきがそっくりな少年は、以前伯理がヤクザ相手にはったりをかけた「威葬(いそう)」と同じポーズを取っている。

凪浄苑(なぎのじょうえん)

漣家が所有している地下墓地。楽座市の会場の最下層にある。

漣家当主が突然死した場合、「蔵」から商品を搬出するための非常口「緊急搬出用扉」がある。

当主を交代する際の「継承の儀式」もここで行われる。

鏡凪(きょうなぎ)一族

傷ついた体を再生させる特異体質がある一族。

「鏡凪一族の肉を食えば不老不死になれる」というガセネタのせいで殆どの者が殺されている。作中で生存が確認されているのはシャルのみ。

また、鏡凪一族の者の細胞は、他者の細胞にも干渉する。シャルは殆ど動かなくなるほど傷んだチヒロの左手を、「錦」の本領が使えるまで治癒している。

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