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「奇特」や「琴線に触れる」等の意味の誤用、「寝覚めが悪い」等の言い方の誤用を解説

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 文化庁が毎年行っている『国語に関する世論調査』では、国語に関する意識や理解の現状について調査しています。今回は、平成27年度に調査した4つの意味の誤用・4つの言い方の誤用についてまとめてみました。

 

 

 

 

 

 

 

意味の誤用

 

「奇特(きとく)」の誤用 

 

奇特の本来の意味

○ 行いや心がけが優れていて褒めるべきさま。

奇特の誤った意味

 × 奇妙で珍しいこと。風変わりなこと。

正答率49.9% 誤答率29.7%(平成27年度)

正答率49.9% 誤答率25.2%(平成14年度)

例文.20代前半なのに家族への仕送りを欠かさないとは奇特な若者だ
例文.町内会の清掃や福祉活動に進んで参加するなんて奇特な心がけだね 

 

 「奇特(きとく)」の本来の意味は「行いや心がけが優れていて褒めるべきさま」で、「奇妙で珍しいこと。風変わりなこと」は本来なかった意味です。

 

 「奇特」は他に、「とても珍しくて不思議なさま」という意味と、「神仏などの不思議な効力。霊験」という意味を持っています。ですが、現在この2つの意味はあまり使われていません。

 あまり使われなくなった意味「とても珍しく不思議なさま」と、誤った意味「奇妙で珍しいこと。風変わりなこと」を混同する人もいますが、「珍しくて不思議」が正用で「奇妙。風変わり」が誤用です。注意してください。

 

 また「奇特」は、主に感心した時に使う褒め言葉です。 

 昔は「きどく」と読まれていましたが、現在では「きとく」と読まれています。

 

 

 

 

「確信犯(かくしんはん)」の誤用

  

「確信犯」の本来の意味

○ 政治的・宗教的・道徳的信念に基づいて、悪事ではないと確信して行われる犯罪。また、それを行う人。政治犯。思想犯。

「確信犯」の誤った意味

× 悪事だと理解していながらされる行為。また、それを行う人。

正答率17.0% 誤答率69.4%(平成27年度)

正答率16.4% 誤答率57.6%(平成14年度)

例文.犯行声明の文書からは政治的な動機が読み取れるので、今回の事件は確信犯が起こしたと見るべきだろう

例文.例の爆破事件の犯人が逮捕されたらしいけど、ああいう確信犯がすぐに口を割るとは思えない

 

 「確信犯(かくしんはん)」の本来の意味は、「政治的・宗教的・道徳的信念に基づいて、悪事ではないと確信して行われる犯罪。また、それを行う人。政治犯。思想犯」で、「悪事だと理解していながらされる行為。また、それを行う人」という意味での使い方は誤用です。 

 この語は「違法と分かりつつも、信念に基づき悪事ではないと確信して行われる犯罪。また、その犯罪を行う人」に対して用いられます。ですから、「信念のない違法行為や、法に触れない行為」には用いられません。

 

 誤った意味「悪事だと理解していながらされる行為。また、それを行う人」を表す言葉は、故意犯(こいはん)」です。「確信犯」は元々法律用語でしたが、一般で使われ出してから故意犯の意味で使われるようになりました。

 

 

「琴線に触れる(きんせんにふれる)」の誤用

 

「琴線に触れる」の本来の意味

 

 ○ 感動や共鳴を受ける・与える。

「琴線に触れる」の誤った意味

 

× 怒りを買ってしまうこと。

正答率38.8% 誤答率31.2%(平成28年度)

正答率37.8% 誤答率35.6%(平成19年度)

例文.多くの人が名作映画と評価するだけあって、クライマックスの映像美と名演が私の琴線に触れた。

例文.両親の心のこもったアドバイスが琴線に触れたので、人目を憚らずに泣いてしまった。

 

 「琴線に触れる(きんせんにふれる)」の本来の意味は「感動や共鳴を受ける・与える」なので、「怒りを買ってしまうこと」という意味では使えません。

 

 琴線は琴の糸のことで、「心の奥にある感動し共鳴する心情」を「琴を弾いた時に美しい音色 が出ること」に例えています。

 この語は小さな喜びを得られた時にではなく、心の底から感動した時や感動を与えた時に使い、感動した場合はどんな事(言動、創作物など)にでも使えます。

 

「名前負け(なまえまけ)」の誤用

 

「名前負け」の本来の意味

○立派過ぎる名前に、実物が見劣りすること。

「名前負け」の誤った意味

× 相手の立派な名前に気後れする。

正答率83.4% 誤答率9.3%(平成28年度)

例文.昨年、襲名披露公演で話題となった歌舞伎役者Aだが、名前負けしている等と批判されることも多い。

例文.先代の名跡を預かるのですから、名前負けと言われないよう一層研鑽を積んでまいります。

 

 「名前負け(なまえまけ)」の本来の意味は「立派過ぎる名前に、実物が見劣りすること」なので、「相手の立派な名前に気後れする」という意味では使えません。

 

 正答率の方が圧倒的に高い言葉ですが、スポーツなどの限られた世界で上記の誤用が広がっているようです。

 

  

言い方の誤用

 

「愛嬌を振りまく(あいきょうをふりまく)」の誤用

 

本来の言い方

○ 愛嬌を振りまく(あいきょうをふりまく)

誤った言い方

× 愛想を振りまく

 

□言葉の意味…周囲の皆に、にこやかな態度をとること。

正答率49.1% 誤答率42.7%(平成27年度)

正答率43.9% 誤答率48.3%(平成17年度) 

 

「そうは問屋が卸さない(そうはとんやがおろさない)」の誤用

 

本来の言い方

○ そうは問屋が卸さない(そうはとんやがおろさない)

誤った言い方

× そうは問屋が許さない

 

□言葉の意味…そんなに思い通りにいくものではないこと。

正答率70.4% 誤答率23.6%(平成27年度)

正答率67.7% 誤答率23.5%(平成18年度) 

 

「上を下への大騒ぎ(うえをしたへのおおさわぎ)」の誤用

 

本来の言い方

○ 上を下への大騒ぎ(うえしたへのおおさわぎ)

誤った言い方

× 上や下への大騒ぎ

 

□言葉の意味…混乱する様子。

正答率22.5% 誤答率60.8%(平成27年度)

正答率21.3% 誤答率58.8%(平成18年度) 

 

「寝覚めが悪い(ねざめがわるい)」の誤用

 

本来の言い方

○ 寝覚めが悪い(ねざめがわるい)

誤った言い方

× 目覚めが悪い

 

□言葉の意味…眠りから覚めたときの気分が悪い。転じて、過去の行為が思い出されて、良心に責めさいなまれる。

正答率37.1% 誤答率57.9%(平成27年度)

 

 

 

 

 

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