
爆笑(ばくしょう)の意味
「1人もしくは少人数が、大声で笑う」「多くの人が、一度にどっと笑う」のどちらも正しい意味です。
「爆笑(ばくしょう)」は昭和初期に一般化した新しい言葉で、「1人で」「少数で」「大勢で」などの人数を限定する意味はありませんでした。しかしある時期を境に、複数の辞書が「多くの人が」や「大勢で」などの人数を限定する言葉を載せ始めたため、「爆笑の正しい意味は、大勢で一度にどっと笑うこと」という誤解が広まってしまったようです。
そうした経緯については、『三省堂国語辞典のひみつ(飯間浩明)』に詳しく記されているので、是非読んでみてください。
例文
○芸人のギャグで、会場にいた全ての観客が爆笑した。
○明石家が絶妙なタイミングでおどけたので、クラスのみんなが爆笑した。
類語
爆笑の類語は、大笑い・哄笑・高笑いです。
辞書の説明文の変更
最近は多くの辞書が「1人もしくは少人数が、大声で笑う」の意味を載せています。
広辞苑の第6版では「大勢が大声でどっと笑うこと」と説明していたのが、第7版では「はじけるように大声で笑うこと」に変更されました。
三省堂国語辞典の第7版は、「ふき出すように大きく笑うこと」の説明の後に、[笑う人数が問題にされることが多いが、もともと、何人でもよい]と補説を入れています。
古い用例
徳川夢声「漫談集」 1929年
「惣ち無我の境に這入って、どなり、絶叫し、哄笑し、爆笑しの盛況を呈して」
徳田秋声「町の踊り場」 1933年
「そして彼は陰鬱に爆笑した」
小栗虫太郎「紅毛傾城」 1935年
「それに横蔵は、波浪のような爆笑をあげた」
ポイント
・「大勢の人が一度にどっと笑うこと」「1人もしくは少人数が、大声で笑う」のどちらも正しい意味
・後者の意味で使っても誤用ではない