「海千山千」の誤用【意味・類義語・語源・例文】

「海千山千(うみせんやません)」の意味

正しい意味

○経験豊富で物事の裏面にまで通じており、ずる賢い。

間違った意味

×経験豊富

×芸事の経験が豊富

「海千山千」の使い方

 「海千山千(うみせんやません)」には、経験を多く積んでいるという意味だけではなく、「ずる賢い」「したたか」という意味も含まれています。ですから、相手を持ち上げるつもりで使ったとしても不快に思われ、自分の印象を悪くしてしまう可能性があるので注意しましょう。

 「色々な経験を積んだために物事の裏面にまで通じ、ずる賢くなった」というニュアンスで使って下さい。 

 芸事の経験を積んだという意味で使う人もいますが、これも誤用です。

 「海千山千」を適切に使えているかどうか迷ったら、類義語の「ずる賢い」や「したたか」という言葉と言い換えてみてください。それで違和感の有る文章になったなら、使い方を間違えている可能性があります。

「海千山千」を使った例文

正しい使い方の例

○あの人は海千山千の曲者だから、気を付けた方がいいよ。

○やはり海千山千の商売人相手に、ど素人が交渉を挑むのは無謀だったか…。

誤った使い方の例

×海千山千の社長の話はいつも参考になります。

×海千山千の舞でしたね。感動しました。

「海千山千」と「百戦錬磨」の違い

 「百戦錬磨(ひゃくせんれんま)」の意味は、「多くの実戦を積んで鍛えられること。また、経験豊富であること」です。

 高い実力を認められているベテランに対してよく使われます。

 「百戦錬磨」は好意的な評価をする意味で使えますが、「海千山千」は好意的な評価をする意味では使えず、警戒されるような人物や煙たがられている人物に対して使います。

 それに、「海千山千」は「したたか」「ずる賢い」と言い換える事ができますが、「百戦錬磨」は「したたか」「ずる賢い」と言い換える事ができません。

「海千山千」の同義語・類義語・英語

同義語

・「海に千年山に千年(うみにせんねんやまにせんねん)」

・「海に千年河に千年(うみにせんねんかわにせんねん)」

・「海千河千(うみせんかわせん)」

類義語

ずる賢い・したたか・一筋縄では行かない・老獪・曲者・悪賢い・狡猾老獪・千軍万馬

英語

・wily(悪賢い)

・sly(狡猾な)

・experienced(経験を積んだ)

「海千山千」の語源・由来

 「海に千年、山に千年住んだ蛇は竜になる」という中国の古い言い伝えが語源で、蛇が竜に変化することを人間が経験を積み上げていくことに当てはめています。言い伝えには「立派になる」という意味が含まれていますが、四文字熟語には「立派になる」という意味が含まれていません。

 この言い伝え自体は古くからありますが、「海千山千」の語は昭和に入ってから使われるようになりました。 

この記事のポイント

・「海千山千」の正しい意味…「経験豊富で物事の裏面にまで通じており、ずる賢い」

・「海千山千」の誤った意味…「経験豊富」「芸事の経験が豊富」

・「海千山千」は、好意的な評価をする時に使う言葉ではなく、煙たがられたり警戒されたりするような相手に使う

・「百戦錬磨(ひゃくせんれんま)」の意味は、「多くの実戦を積んで鍛えられること。また、経験豊富であること」で、好意的な評価をする意味で使える

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