
徐に(おもむろに)の本来の意味・誤った意味・使い方
止まった状態から動き出そうとする時や、動作の変更をする時によく使われる言葉です。そういう使い方をすると、「ゆっくりと」と「不意に」のどちらとも取れる文章になりやすく、その振れ幅のせいで誤用が増えたのではないかと考えられます。
「徐ろに」と同じような理由で、本来は「ゆっくりと事を行うさま」という意味の「やおら」も、「急に。唐突に」という意味で誤用される事が多いです。
どちらも正用と誤用では殆ど反対の意味になってしまう言葉なので、使い方には注意しましょう。
また、「徐ろに」は「徐るに(おもぶるに)」とも言い、下に来る用言を修飾する副詞ですので「徐ろ」単体では使いません。
「徐に(おもむろに)」の例文
○生徒は徐ろに立ち上がったかと思うと、一転してトイレに向かって駆けだした。
×勢いよく坂を下りてきた自転車が、曲がり角から徐ろに飛び出してきた。
×緩慢に作業していた男は上司と目が合うと、徐ろに一生懸命働き始めた。
「徐に(おもむろに)」の同義語・類義語と対義語
やおら・ゆっくりと・悠然と・徐々に・のろのろと
急に・突然・不意に・唐突に・速やかに・やにわに・慌てて・いきなり・出し抜けに
「徐に(おもむろに)」の世論調査
国語に関する世論調査(平成26年度)では、本来の意味で使う人の割合が44.5%、間違った意味で使う人の割合が40%になりました。
年代別にみると60代は59.8%、70代以上は73.0%の人が本来の意味を選んでいます。しかし50代より下の年代は誤用する人が多く、40代・30代・20代は本来の意味を選んだ人の割合が30%以下になりました。
若者と話をする場合は、別の言葉に言い換えた方がいいかもしれません。
まとめ
ポイント
・徐ろに(おもむろに)の本来の意味は、「動き方が落ち着いているさま」
・「不意に。唐突に。急いで」という意味で使うのは誤用
・類語は、「ゆっくりと・悠然と・やおら」
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